鉛直流による揚力の変化 左上の図に示すように、翼弦線と相対的気流の作る角度が「迎え角(α1)」である。その迎え角に対応して揚力係数が決まる(CL1)。相対的気流速が変わらなければ、迎え角(α)の増加にしたがい、揚力係数CLの値が増える(図の左下)。
上昇流(Vv)があると今までの相対的な気流(Va)と相俟って、上向きの相対的気流(Vr)となる(図の中央上)。その結果迎え角は増え(α2)、揚力係数も増加してCL2となる。この時の揚力の向きは相対的気流に直交した方向になるが、対気速度も多少増え、揚力の大きさは増加している。そのため機体は上昇する。そこで機首を下げて、相対的気流との角度、迎え角を減らさねばならない(α2')(図の右上)。
下降流(Vv)の場合には、迎え角(α3)は鉛直流の無かった時よりも一般に少なくなる。時には相対的気流線は翼弦線よりも上になることもある(図の中央下)。すなわち迎え角はマイナスになる。そこで機首を上げ、下向きの相対気流を翼面の下から受けられるように、修正しなければならない(図の右下)。